忘れられない情景を呼び起こす──7月27日の名曲たち3選

A semi-illustrated backstage scene of a five-member jazz band walking toward the stage with instruments in hand, lit by warm stage lights.(温かな照明に照らされながらステージへ向かう5人組ジャズバンドのステージ裏風景/イラスト調) ブログ

忘れられない情景を呼び起こす──7月27日の名曲たち3選

記憶に残る夏の日というのは、暑さよりも、風景よりも、そのとき流れていた音楽によって決まる気がします。たとえば、真っ白なシャツを濡らす午後3時のスコール。あるいは、誰かに言えなかった想いが心に居座ったまま終わった8月の終わり。音楽は、そんな瞬間を焼きつけるためのフィルムみたいなものです。

今日は、7月27日という日付にリリースやMV公開のあった、3つの名曲をご紹介。いずれも、時代やジャンルを超えて今も多くのリスナーに愛され続けている楽曲です。

目次


Maroon 5「She Will Be Loved」(2004年7月27日)

もし「夏の切なさ」を表現したいなら、この曲の右に出るものはそうそういません。Maroon 5の「She Will Be Loved」は、恋に落ちる瞬間よりも、恋が終わる予感が美しく響くバラード。

MVでは、年上の女性と若い男性との淡く危うい関係が描かれていて、若干昼ドラ感ありますが、当時はかなり話題になりました。アダム・レヴィーンのボーカルは優しく、でもどこか痛々しくて、聞いていると「君が泣いている場所に、誰よりも早く駆けつけたい」と思わせる圧がすごい。


Charli XCX「Boys」(2017年7月27日)

サウンドはポップなのに、構造はほぼアート。「Boys」はCharli XCXの中でも特にバズを生んだ曲で、MVに登場する男性陣(ジョー・ジョナス、チャーリー・プース、ディプロなど)がとにかく豪華。

それでいて、映像はどこかユーモラス。SNS時代のセルフ・アイロニーと「女性の視線」を意識的に反転させた演出が、ポップカルチャー好きにはたまりません。言ってみれば、可愛い男子たちの“スローで甘い逆襲”といった趣き。


Lil Peep「The Brightside」(2017年7月27日)

最後は、亡き才能Lil Peepによるエモラップの代表曲「The Brightside」。この曲は、虚無と優しさが同居しているような不思議な空気感をまとっています。

「自分を信じろなんて、簡単には言えない」という彼の目線と声が、MVに映るホテルの部屋やツアーバスの風景と重なり、リスナーは「ひとりきりじゃない」と思えるのです。音楽って、誰かと分かち合うことよりも、「ちゃんと一人で泣いていいんだ」と肯定してくれるものなのかもしれません。


結び──「あの日の気温」を思い出すように

7月27日という日付に偶然重なったこれらの楽曲たちは、ジャンルも背景もまったく異なるのに、どれも記憶と感情に深く作用するという点で共通しています。

「夏の音楽」は、その年の気温や空の色よりも、もっと確かなものを教えてくれるのかもしれません。次にこの3曲を聴くとき、あなたがどこで、誰と、何を思いながら耳を傾けるのか──その瞬間も、またひとつの“音楽の記念日”になるはずです。

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