6月16日、甦る音景――心に蘇るあの頃のメロディ

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6月16日、甦る音景――心に蘇るあの頃のメロディ

音楽は、時間と記憶を結びつけてくれる魔法のような存在だ。
とりわけ青春時代に聴いた楽曲は、人生の節目や感情の揺れ動きと重なり合い、再生ボタンを押すだけで当時の空気を鮮やかによみがえらせてくれる。
ここでは6月16日に刻まれた出来事から、国内外で広く知られる3組のアーティストを取り上げ、その日がもたらした永遠のワンシーンを振り返ってみたい。


David Bowie『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』リリース(1972年6月16日)

1972年6月16日に送り出された『Ziggy Stardust』は、ロックの常識を塗り替えた一枚だった。グラムロックのきらめきと宇宙的な物語性を併せ持つこのアルバムは、Bowie 自身を“異星のロックスター”へと変貌させ、70年代以降の音楽・ファッションに計り知れない影響を与えた。「Starman」の高揚感あふれるサビは、深夜ラジオから流れてきた瞬間に未来を感じさせ、思春期の不安と希望を同時に解放してくれた──そんな記憶を抱く人も少なくないだろう。




ZARD「世界はきっと未来の中」リリース(1999年6月16日)

1999年6月16日、ZARD が放った26枚目のシングル「世界はきっと未来の中」。坂井泉水の澄んだ歌声が〈世界はきっと未来の中〉と優しく語りかけるこの曲は、受験や就活で行き詰まりがちな10代・20代の背中をそっと押してくれた。シンプルなバンドサウンドに乗るまっすぐなメッセージは、90年代終盤の J-POP 黄金期を象徴する一曲として、いまもカラオケの定番。イヤホンを通して聴くたびに、あの日の教室や通学路の匂いがふわりと立ちのぼる。




Lorde『Melodrama』リリース(2017年6月16日)

2017年6月16日、当時20歳の Lorde が送り出したセカンド・アルバム『Melodrama』は、20代の揺れる感情をシネマティックに描き出した傑作だ。リード曲「Green Light」は、失恋の痛みを跳ね返すピアノリフとダイナミックなビートで、フロアとドライブミュージックを席巻。ジャック・アントノフとの共同プロデュースで磨かれたサウンドは、ポップとインディの境界線を溶かし、SNS世代のアンセムとして瞬く間に世界を駆け巡った。




6月16日の音をポケットに

Bowieの星明かり、ZARDの優しい希望、Lordeの夜更けの鼓動――3つの声は、日付をまたいで息づく小さなプレイリストだ。イヤホンを耳に差せば、あの日の自分がそっと歩調を合わせてくれる。今日の帰り道、そのリズムを明日への足音に変えてみよう。

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