時間と記憶をつなぐ6月15日

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時間と記憶をつなぐ6月15日の三景――あの日の音が胸に戻る瞬間

本日6月15日に起きた出来事の中から、国内外で広く知られるアーティストを3組取り上げ、その日が刻んだ永遠のワンシーンを振り返ってみたい。


Nirvana『Bleach』リリース(1989年6月15日)

1989年6月15日、当時まだ無名だったシアトルの若者たちによるデビュー・アルバム『Bleach』が産声を上げた。轟音ギターと粘り気のあるリズムが放つダークな熱量、カート・コバーンの脆さと怒りが交錯するボーカル――そこには、後の『Nevermind』で世界をひっくり返す原石の輝きが凝縮されていた。90年代にオルタナティヴ・ロックを通った人なら、CDショップの試聴機で初めて耳にした瞬間の衝撃を覚えているかもしれない。あれから三十数年、零れ落ちるようなフィードバックノイズは、いまも青春の混沌を映し続けている。




Kanye West「Diamonds from Sierra Leone」MV公開(2005年6月15日)

2005年6月15日、カニエ・ウェストは「Diamonds from Sierra Leone」のモノクロ MV を公開し、同日リミックス版が全米ラジオに解禁された。コンゴやシエラレオネの紛争ダイヤ問題を突き付けるリリックと、バス・サンプルの重厚ビートは当時のヒップホップ・シーンに強烈な一石を投じた。ジュエリー文化への痛烈な批評性と、JAY-Z を迎えたリミックスの華やかさ――社会派路線とスター性を両立させたこの曲は、00年代半ばの空気を象徴するアンセムとして記憶に刻まれている。




宇多田ヒカル「traveling」初披露ライブ(2001年6月15日)

2001年6月15日、NHKホールで開催された『BOHEMIAN SUMMER 2001』のステージで、宇多田ヒカルは未発表曲「traveling」をサプライズ披露した。軽快なビートと浮遊感のあるシンセが描く都会的な夜景、その上を自在に跳ねるボーカル。観客は未来を先取りするかのようなサウンドに息を呑み、会場の空気は一瞬で非日常へと塗り替えられた。「退屈な日常から一歩踏み出す勇気」を授けてくれるこの曲は、その後の J-POP に多大な影響を与えた。




あの日の音楽を、今日また再生しよう

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