変幻自在なビートに導かれて──7月28日の名曲たち3選

A vibrant summer music festival at sunset with a cheering crowd and a glowing stage under orange sky lighting.(夕暮れの空の下、オレンジ色の照明がステージと観客を照らす夏の音楽フェスの情景) ブログ

変幻自在なビートに導かれて──7月28日の名曲たち3選

季節も音楽も、気がつけば移ろっている。7月28日は、そんな気配を敏感にキャッチしていたアーティストたちが、それぞれの方法で“音”を放った日でもあります。バンドとアニメの境界線をあえて曖昧にしたロック、感情の断片を淡々と並べるポップ、そして近未来とレトロを行き来するラップ──。

今回は、2000年代以降のこの日に生まれた、またはステージで響いた3曲を紹介します。変幻自在な音楽たちが、2025年のこの日にも、誰かの耳で息をしている。そんな想像とともに、お楽しみください。

目次

  • Gorillaz「Feel Good Inc.」
  • Halsey「Ghost」
  • Beastie Boys「Intergalactic」

Gorillaz「Feel Good Inc.」(2005年5月9日リリース)

アニメと音楽の融合──という発想は今でこそ当たり前になりましたが、そのフォーマットを最もポップに、最もラディカルに体現してきたのがGorillazです。「Feel Good Inc.」は彼らの代表曲にして、アイデンティティそのもの。

7月28日、ロシア・モスクワで開催されたPark Live Festival 2018のステージに、彼らは現実と虚構の狭間から登場しました。8万人のオーディエンスに向けて放たれたこの曲は、曲名に反してどこか不穏で、しかし奇妙な中毒性がある。ギターリフ、ビート、ラップが継ぎ目なく混ざり合い、もはや“ジャンル”という概念を追い出す力があります。

ここまで大胆に、そしてユーモラスに世界観を構築できるバンドは、いまだ他にいないかもしれません。彼らの作品を聴いて「よく分からないけど好き」と感じた人は、すでにゴリラズ脳に侵されています。


Halsey「Ghost」(2014年7月28日リリース)

Halseyが初めて世に名前を知られた曲がこの「Ghost」。リリースは2014年7月28日──つまり、Halseyのキャリアにおける“ゼロ地点”のような楽曲です。今やポップアイコンとなった彼女ですが、当時は自宅での録音や自主配信に近い状態からスタートしていました。

東京を舞台にしたMVは、どこか冷たく、そして無表情な都市の景色が印象的。曲の内容も、愛のすれ違いと感情の断絶を綴ったもので、“あなたがいるのに心にいない”という感覚が胸に刺さります。儚さと強さを併せ持つHalseyの世界観は、この時すでに完成していたとも言えるでしょう。

後年リリースされる『Badlands』や『Manic』に通じるテーマの原型がここにあります。言い換えるなら、「Ghost」を聴くことはHalseyというアーティストの設計図を覗き込むことかもしれません。


Beastie Boys「Intergalactic」(1998年7月28日ラジオ初出)

7月28日という日付で最も「奇抜な音」を選ぶなら、間違いなくこの曲です。Beastie Boysの「Intergalactic」は、1998年7月28日にアメリカのラジオで初オンエアされ、その後ミュージックビデオでも大きな話題を呼びました。

SF映画のパロディのような映像に、90年代オールドスクールラップの勢いがミックスされたような不思議な温度感。サンプラーで遊び倒したトラックと、あえてダサく崩したビジュアル。そのどれもがBeastie Boysらしい脱力感とセンスにあふれています。

今聴くとレトロでチープに感じられるかもしれません。でも、その“感じ”こそが、今また新鮮に響く時代になってきました。未来を思い描いた過去の音楽は、やがて現在に追いついてくる──「Intergalactic」は、そんな時間の交差点にいる曲です。


おわりに

音楽に“正解”なんてない。だけど今日紹介した3曲には、間違いなくそれぞれの時代の「今」が刻まれていました。自分らしさを貫くGorillaz、痛みを抱えて前に進むHalsey、ユーモアと知性を武器にするBeastie Boys。

どれかひとつでも、今日のあなたに刺さる音があれば、それがこのブログの“正解”かもしれません。明日また違う気分になるとしても、今この瞬間の選曲に、誇りを持って。

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