7月29日──音楽がジャンルの壁を超えた日
7月29日。この日は、ヘヴィメタル、ティーンポップ、ケルトポップという異なるジャンルが、それぞれのピークを刻んだ日でもあります。轟音が夜を切り裂き、アイドルがチャートを制し、アイルランドの風がUKを吹き抜けた——それぞれの“時代の音”を3つの名曲でたどります。
- Metallica「Enter Sandman」(1991年7月29日リリース)
- NSYNC「It’s Gonna Be Me」(2000年7月29日 Billboard Hot 100首位)
- The Corrs「Breathless」(2000年7月29日 UKアルバムチャート1位)
Metallica「Enter Sandman」(1991年7月29日リリース)
1991年7月29日、Metallicaは「Enter Sandman」をリリースしました。もはや説明不要のメタル・アンセム。耳にした瞬間、空気が震えるようなリフ。音が眠りをかき乱すような感覚。「眠れなくなる音楽」という新ジャンルが生まれたとでも言いたくなるような破壊力です。
この曲は、後に1,600万枚以上を売り上げる大名盤『Metallica(通称:ブラック・アルバム)』の先行シングルとして発表され、世界中のロックチャートを席巻。MTVとラジオでヘヴィメタルが主流になる契機となりました。2024年のライブでも冒頭で炸裂し、観客の体感温度を一気に10℃上げています。
NSYNC「It’s Gonna Be Me」(2000年7月29日 Billboard Hot 100首位)
2000年7月29日付で、NSYNCの「It’s Gonna Be Me」がBillboard Hot 100で初の首位を獲得しました。ブリトニーやBackstreet Boysと並び、ミレニアム世代の“青春そのもの”と語られるティーンポップ全盛期の象徴曲。
シンコペーション強めのビートに、Justin Timberlakeのクセの強いボーカル。「Me」が「May」にしか聴こえないことで、今では4月末に毎年SNSで“再浮上”するミームの常連。まさかの時差バズで、Z世代にも知られる1曲になっています。2000年代の甘酸っぱさが詰まった一発、ぜひ今こそ再訪を。
The Corrs「Breathless」(2000年7月29日 UKアルバムチャート1位)
同じ2000年の7月29日、アイルランド出身のThe Corrsがリリースしたアルバム『In Blue』がUKチャートで1位に到達。そこに収録された「Breathless」は、彼女たちのキャリア最大のヒットとして知られています。
ケルト音楽の香りを残しつつ、モダンポップに見事にブレンドされたこの曲は、夏のドライブにも、読書のお供にも合う万能ソング。ヴァイオリンが織りなす軽やかな旋律と、美しく重なる姉妹コーラスが心地よく、涼しさすら感じる一曲です。
結び
重く、甘く、涼しく。7月29日は、音楽が「温度」をまとって私たちの記憶に焼き付けられた日なのかもしれません。それぞれのサウンドが描く世界に、耳を傾けてみてください。きっと今日も、あなたの心に小さな火を灯してくれるはずです。
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